現役高校生 古文書ハンター 秀 丈瑠(ひで たける)さんが語る古文書の魅力<後編>

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今回は、現役高校生で江戸時代の古文書を解読し、実際に論文も発表されている愛知県・南山国際高校の秀 丈瑠さんに、編集長のジョン・スミスがインタビューさせていただきました。

前編はこちらから→現役高校生 古文書ハンター 秀 丈瑠(ひで たける)さんが語る古文書の魅力<前編>

後編では古文書の面白いエピソードや秀さんが尊敬する人物、将来の夢に、今の歴史教育について思うこと、そして歴史の面白さについてお聞きします。

是非、最後までお読み下さい。

秀 丈瑠さんのプロフィール 

2003年愛知県生まれ。上海のアメリカンスクールを卒業後、南山国際中学校に編入。現在、南山国際高校に在籍。古文書の解読に挑戦し地方歴史学会に所属する。昨年、「全国高校生歴史フォーラム」にて研究論文が入賞する。現在の研究分野は近世史(江戸時代)。

古文書の面白いエピソード

アビラウンケンのおまじない?

ジョン:秀さんは様々な古文書を読まれたことがあると思いますが、何か面白いエピソードはありますか?

:うーん。アビラウンケンの話は面白いかも知れませんね。

ジョン:アビラウンケン?何ですかそれ?外国の言葉ですか?

:いや日本のおまじないです(笑)

ジョン:おまじない?

:はい。私の持っている資料に「万覚」という文書があるんですが、そこに魚の骨が喉に刺さったときの対処法が書いてあるんです。

ジョン:魚の骨が喉に刺さったときの対処法ですか。どんな対処法なんですか?

:それが面白くて(笑)

「伊勢に生まれていせにきていせのいくわか伊勢のいげんか」って唱えた後に小刀で口の周りを回して「アビラウンケン」と三度、唱えれば魚の骨が取れるらしいんです。

ジョン:何ですかそれ。秀さんまさかそれやってないですよね?

:いや、私やってみないと気が済まない性分なんです(笑)

いつの日か、魚を食べてるときにたまたま骨が刺さったら是非やってみようと心の中に留めておいたら、本当にその時がやってきたんです。

ジョン:え!やったんですか?

:はい。鮭の塩焼きを食べてるときだったかな? 小骨が刺さったんで「やったぁ今だ!」と思って、小刀の代わりにテーブルナイフを使って、さっきの呪文を唱えた後に「アビラウンケン」と3回唱えたんです。嘘じゃないですよ?(笑)

ジョン:どうですか?取れましたか?

:いいえ、ぜーんぜん取れませんでしたね(笑)

ジョン:そりゃ、そうですよね(笑)

:もしかしたら小刀を使えば取れるかも知れませんが(笑)

ジョン:たぶん無理だと思いますよ(笑)

:でも、こういう風に実際にやってみると楽しいですよね。古文書は私たちに色々な知識や面白いことを教えてくれます。もしかしたら、江戸の昔はこのおまじないを信じる人が大勢いたのかも知れませんし(笑)

尊敬する人物

ジョン:秀さんは古文書や歴史を研究する上で尊敬している方はいますか?

:尊敬している人ですか?ズバリ、歴史学者の磯田 道史 先生と神学者の谷口 茂 先生です。

ジョン:即答ですね(笑)

:はい(笑)お二方は私が歴史を研究したり論文を書く上で最も尊敬している先生です。

ジョン:磯田道史先生はあの、「武士の家計簿」で有名な歴史学者ですよね?

:はい。磯田先生は本を出版されたりテレビにご出演なさったりしていますね。私も最初は磯田先生の著書である「近世大名家臣団の社会構造」と「武士の家計簿」を拝読して感動しファンになりました。その後、メールでのやり取りを通して論文の指導や歴史学者としての心得をご教授いただいて、本当に今の私の歴史研究の基礎を教えていただいたといっても過言ではありません。

ジョン:磯田先生と連絡を取るなんて秀さん、行動力ありますね(笑)

秀さんは高校生の「古文書ハンター」として、磯田先生は社会人の「古文書ハンター」として活躍されて、何か近いものがあるのではないでしょうか?

:私はまだまだ半人前にもなってないぐらいの若造なので、いつか磯田先生に直接ご教授いただける日がくることを願ってこれから一生懸命、精進しようと思っています。

ジョン:頑張って下さい。ところでもう一方の谷口茂先生とはどのような方なのでしょうか?すみません。私は存じ上げないのですが。

:谷口先生は私が在校している南山国際高校の宗教担当の先生で実際にたくさんの論文を学会などに発表されている神学者です。私が学校でも個人的にも本当にお世話になっている先生で、学者としての心構えや学問の素晴らしさを教えて下さっている先生です。

ジョン:そうなんですね。どんな先生なんですか?

:一言で言うと、学者の中の学者ですね。学問に対する情熱がすごい方で、いつも論文の書き方や研究方法について指導してくださいます。一つのことを掘り下げて、掘り下げて、掘り下げまくる。私の研究の基礎は磯田先生と共に、この谷口先生の”谷口学問”が基礎となっています。

ジョン:”谷口学問”ですか。秀さんは色々な学者さんからアドバイスを受けて歴史研究に邁進していらっしゃるんですね。

今の歴史教育について思うこと

「触れる」「考える」「話し合う」

ジョン:秀さんは今の日本の歴史教育について、どう思われますか?

:私はまだ、ただの高校生なので専門的なことは言えませんが、生徒目線で考えると学校の授業での「歴史」という科目は、完全に暗記科目だと思ってしまいます。

ジョン:どうしても学校の授業だけだと暗記科目って思ってしまいますよね。わかります。

:どうしても、歴史を学ぶ上で例えば「1603年徳川幕府が開かれる」などと、時代の暗記をしてしまいます。しかし私は「触れる」「考える」「話し合う」という教育が重要だと思っています。

ジョン:「触れる」「考える」「話し合う」教育とはどのような教育ですか?

:まず「触れる」というのは史料に触れるという意味です。実際、古文書を日本中の学校が購入するというのは難しいことですが、私は教科書を見ただけでは具体的に想像することができません。だから例えば、実際の史料を「見てみる・触れてみる」というのが重要ではないかと思うのです。実際のものに触れるということは時代を感じる上でとても重要なことだと思います。「本物だからこそ想像力が湧く」と私は思っていますよ。

ジョン:確かに本物を見てみると時代を感じることができますよね。次の「考える」は何ですか?

:次の「考える」は、その時代の背景を学んだら、自分ならどうするか、どう思うか、と考えてみることです。私の場合は、百姓一揆のときの農民の気持ちを考えてみて演技してみたり、薄給の武士の心情を考えてみたりします。そうすると、自然と自分も教科書の中に居るような気がしてくるのです。

ジョン:確かに「自分ならどう思うか?」という視点は大事ですよね。歴史は過去のことなので、自分と関係ないからこそ遠く感じてしまうことはあると思います。では最後の「話し合う」とはどういうことですか?

:最後の「話し合う」は、先程述べた「考える」で自分なりに考えたことを他人と共有し議論を深めるということです。自分なりの視点や自分なりに感じたことを他の人と共有することによって、歴史というのが一つの通説だけではない、色々な見方ができるということを体感できるのではないでしょうか。

ジョン:確かに、色々な意見に触れるということは歴史を学ぶ上で重要だと思います。ぜひ秀さんの授業、受けてみたいなあ(笑)

将来の夢

ジョン:秀さん、今まで古文書や歴史について聞いてきましたが、ズバリ、将来の夢は何ですか?

:ズバリ、歴史学者になることです!

ジョン:やっぱりそうなんですね。

:私には「世の中の人達に歴史を解りやすく伝えたい」という夢があります。先人たちが歴史を通して我々に何を伝えるのか、大勢の皆さんに興味を持って考えていただけるよう、歴史学者として研究に邁進したいと思っています。

ジョン:歴史学者になる夢に向かって頑張って下さい。応援しています。いつか、秀さんに歴史学者として取材させていただきます(笑)

:ありがとうございます。頑張ります。

歴史とはなんですか?

ジョン:最後に秀さんにとって歴史とはなんですか?

:私は歴史とは「ラチオの世界」だと思うのです。

ジョン:「ラチオ」とは何ですか?

:「ラチオ」とは西洋中世哲学の用語で古典ギリシャ語の「ロゴス」の訳語として使われています。

意味は実に多様で「推論」「推理力」「根拠」「原因」「学説」という意味があります。

ジョン:「ラチオ」には沢山の意味があるんですね。

:つまり、歴史とは一言では表すことのできない大きな推論の世界で、それを根拠や学説に基づいて証明、あるいは推理していくものなのではないでしょうか。そこには宇宙のように答えのない広大な世界が広がっていると思っています。

ジョン:「宇宙のような答えのない広大な世界」ですか。すごいですね。

:はい。歴史には分かっていないことを推理し、知ろうとする探究心と、見えなかった実像が文面や”もの”から見えてくる興奮があるのです。また、通説を覆すかも知れないという興奮がそこにはあります。だから私は歴史を探求し続けるのです。

ジョン:秀さんこれからも歴史を探求し続けていってください。今回はありがとうございました。

:こちらこそありがとうございました。

まとめ

家紋を見るとどんな家系だったかわかるという話や、「アビラウンケンのおまじない」を試したものの魚の小骨は取れなかったという話など、面白いエピソードが多くて編集しててとても楽しかったです。

秀さんは「歴史=暗記教育」というイメージをなくすために、「触れる」「考える」「話し合う」教育が大事だと仰っていました。

私はその言葉に激しく共感したので、詳しく調べてみたら、来年の高1から始まる「歴史総合」という授業では実際に資料を使って、それを元に歴史を考えて議論をするらしいです。

一例を挙げると、黒船来航直前の世界の情勢がわかる「オランダ風説書」の資料を読んで、アメリカやトルコなどいろんな国のリーダーとしてこれからの50年間、何をするか考える授業。

そして、自分が住んでいる地元が独立したという設定で、そこの国歌を作ってみる授業など、いろんな先生のいろんなアイデアが光る、面白い教科になると期待できます。

秀さんが考える「触れる」「考える」「話し合う」教育や、この記事を通して、ひとりでも多くの人が歴史を好きになってくれたら嬉しいなと思います!

あらためて秀さん、ありがとうございました!


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