小学校の自由研究、「書き方」や「まとめ方」に困っていませんか? 実験をしたり調べたりしたあとに、どうやって文章にまとめればいいのか分からない人もいると思います。
自由研究を書くときのように、自分の言いたいことを文章をまとめるのが苦手な人の大半は、実は「何を書けばいいのか分からない」だけなのです。そのため、“何を”・“どんな構成で”書けばいいのかさえちゃんと理解しておけば、誰でも、書きたいことを文章化できるようになります。
今回の記事では、自由研究を書くときの文章の構成と考察のしかたを取り上げます!
(この記事を読んだ親御さん、夏休みの宿題に苦戦しているお子さんに、そっと教えてあげてください)
そもそも「研究」って何?
研究とは「疑問を確かめること」
自由研究というは、その名の通り「研究」の一種です。研究とは、疑問を確かめること。どんな小さな疑問でもいいので、気になったことを『考える & 調べる & 確かめる』プロセスを大事にしましょう!
自分の頭で考える
自由研究に取り組むとき、最初に何からやればいいのか迷う人も多いかと思います。そこで、まずは、身の回りにある「疑問」を見つけるところから始めてみましょう。
例えば「プールから上がるとなぜ寒く感じるの?」「なんでブランコは立ち漕ぎすると速くなるの?」など、どんな小さなことでもいいです。自分が興味を持って取り組めるテーマを探すことが大事です!
「きっかけ」を大事にしよう!
なぜ自分がこのテーマで自由研究を行おうと決めたのか、というきっかけ・動機が強ければ強いほど、あとあと面白い自由研究になります。そういう意味でも、テーマ探しは非常に重要です。
また、お店に行くと、自由研究のための実験キットや工作キットなどが置いてあります。こういうキット類は、もちろん手軽で便利なのですが、「自分の頭で考える」ことにつながりません。ですので、そういったツールに頼らずに、自分で課題やテーマを探して取り組むことがおすすめです!
どんなテーマがある?「気付き」のある自由研究例
自由研究に取り組む前に、身の回りにある何気ない疑問を持つことが大事だ、という話をしました。
では、実際に、身近なもの・身の回りのものを題材にして、どのようにテーマを見つければ良いか、いくつかの例を挙げました。参考にしてみてはいかがでしょうか。
「実験・観察」系の自由研究の例(主に理科の実験)
・レモン電池 … 電池の原理やモーターの原理
・生物の観察 … 植物の分布や、時期別・環境別の成長具合
・気象・天体観測 … 雲の形、風向き、星の動き、星座の見える時期・時間
・物理工作 … おもちゃが動く原理(バネやゴムの弾性力、テコの原理など)
「調べもの・調査」系の実験の例(主に、社会の調べ学習)
・地域調べ・地理研究 … 地形・気候の特徴、産業(農業や工業など)
・人物調べ … 時代背景、戦いや出来事の起こった原因 など
・小説や歌詞 … 感情・情景の描写、表現技法(比喩、倒置)、作者間の差 など
このように、どんな身近なことでもOKです。「大したことないと思っていたが、掘り下げてみると実は面白い!」なんてこともあります。ぜひ普段から身の回りのことに興味を持ってみましょう。何かしらの疑問が浮かんでくれば、それがきっと自由研究の良い題材になるはずです!
文章の構成! 自由研究の文章構成はこれでOK!
自由研究の文章の構成は、基本的に以下↓のとおりに書けばGoodです!
ひとつひとつ順番に説明していきます
まずは「テーマ」と「きっかけ」
はじめに、自分が、どんな「疑問」を出発点にして自由研究をしたのか、を書きます。
(例)
【テーマ】
● 夏によく使うエアコン(冷房)は、どうやって空気を冷やすんだろう?
【きっかけ】
● おじいちゃんの家に行ったとき、扇風機が回っていた。「羽根が回ると風が吹くと涼しくなるんだよ」と教えてくれた。エアコンはどうして涼しくなるのか気になった。
「予想」を立てよう
「なぜ」という問い・疑問を立てたら、つぎに、「自分ならこうだと思う」と予想してみましょう!間違っていても全然大丈夫。想像をふくらませて、自分の頭でいろいろと考えてみましょう!
(例)
● エアコンの中に氷が入っているの?
● 離れた場所から冷たい空気を運んで来ているの?
などなど
実験や調べ学習の「方法」を考えよう
実際にどういう方法で実験や調べ学習をしたのか、をまとめます。理科の実験であれば、「どんな道具を使ってどんな実験をすれば良いか」、社会の調べ学習であれば、「どんな本やウェブサイトを使えば知りたい情報を集められるか」、を考えてみましょう。
(例)
なぜエアコンを付けると涼しくなるのか?を調べるために
● 使わなくなったエアコンを、試しに分解して、中身を見てみる。
● 仕組みが詳しく書いてある本を、図書館で借りて読んでみる。
● 博物館のひとに聞いてみる。
…などなど
(ここでアドバイス!) もし、どんな本にどんなことが載っているのか、分からないときは、図書館にいる書士さんに聞いてみるのがおすすめです。理科系の実験をするときにも、実験の方法を調べるときに図書館を使ってみるなど、ぜひ活用してみましょう。
「結果」と「考察」を書こう
そして最後に、実験や調べ学習をして分かったことをまとめ(「結果」)、自分が考えたことを書きます(「考察」)。
(例)
【結果】
● エアコンが涼しくなる仕組みは、涼しい空気を送り込んでいるからではなく、部屋のなかの熱だけを、部屋のそとに追い出している、ということが分かった。(←分かったことを書く!)
【考察】
● エアコンの暖房のしくみも、冷房と似ているのではないか、と考えた。(←考えたことを書く!)
● ドライヤーから出てくる空気は、なぜ温かいのか?しくみは一体どうなっているんだろうか?(←もっと知りたいことを書く!)
(この中でも特に、「考察」の部分はかなり重要な所なので、次に、「考察」の書き方を、詳しく紹介していきます。)
自由研究では「考察」がいちばん大事!
自由研究において、「考察」がもっとも重要な部分です(かつ難易度もいちばん高いです)。ここでは、考察の書き方と、よりよい考察を書くための目の付け所について説明します。
「結果」と「考察」はどこが違うのか?
考察というのは「結果をもとに、自分が考えたこと」です。実験や調べものをした後に、「自分の頭で考える」という過程です。
単に結果を知って「なるほど」と納得して終わるのではなく、さらに「なぜこういう結果になったの?」というような、一歩ふみ込んだ問いを立てれば、より良い研究になるはずです。
これに尽きる!考察のための「目の付け所」
良い考察を書くための目の付け所は、主にこの3つです。ポイントをしっかり押さえましょう!
考察のための「目の付け所」はこれ。何を書けば良いのかわからなくなったら、この3つを思い出してください!
ひとつひとつ説明していきます
* 予想と結果を比べてみる
「気付き」を見つける上で一番効果的なのがこれです。あらかじめ予想しておくことによって、結果を知った後に「なぜこうなったのか?」という問いを立てやすくなります。そこで考えたことを自分の言葉でまとめれば、立派な「考察」になります。
* 失敗したら原因を考える
失敗から学べることはたくさんあります。
実験してうまく行かなかったり、調べものをしていて思い通りの情報が得られなかったりすることもあります。そういう時に「失敗したから別のテーマで研究し直そう」とあきらめるのはもったいない。なぜ失敗したのか向き合いましょう!
むしろカンペキに成功するよりも、多少の失敗があったほうが「気付きの材料」・「考察の材料」が増えます。失敗を恐れないで試してみよう!
* 「やっても分からなかったこと」を大事にする
実験をしても、つねに「疑問」は残ります。
「やってみたけど分からなかった」と気付けたこと自体が、じつは大きな進歩です。(このことに気付くかどうかは、自由研究に限らず生涯大事になりますよ!)
考察の欄には、「どういうことがわからなかったのか」に加えて、「それをどうすれば解決できそうか」という所まで考えて書けるとより良いです。
まとめ:自分の頭で考えよう!頭をフル回転させて「気付き」を見つけよう
自由研究をするうえでなによりも大事なのは、「疑問を疑問のままにしないこと」です。
この記事では、
①身近な生活の中から疑問を見つける
②実際に調べたり実験したりしてみる
③その結果をもとに、「考察」をする
という、3つのポイントを紹介しました。
「考える & 調べる & 確かめる」というプロセスは、将来生きていく上でも絶対に役立ちます。せっかくの夏休みの自由研究をきっかけにして、何かひとつでも、「気付き」や「発見」を見つけてみてください!
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この記事を書いたライター
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