世にはたくさんの「読書感想文のコツ」がありますが、ほとんどは小説向けのものです。そして、”ポイント”であって”書き方”ではありません。
しかし、一見書きにくそうな論説・説明文の読書感想文にも、実は良い点があります。
賛成・反対と分かりやすい立場が取れるので書きやすいという点、論理的思考力が身につくという点です。
そこで、ここでは哲学書で読書感想文を書こうとして自爆した経験のある私が、論説・説明文の読書感想文の書き方をフローチャート式に徹底解説していきます!
普段の授業だけでなく、夏休みや冬休みの宿題にも活用できる考え方です。ぜひお読みください。
読書感想文の書き方フローチャート
論説や説明についての読書感想文を書くときは、筆者の主張をしっかり捉えることと、それについての自分の意見を主張することが大切になります。
また、もう一つ、論説文や説明文は大抵は「問題提起」であるということも忘れてはいけません。
論説文・説明文では、存在している問題について、何がどう問題なのかということが書かれます。
それを把握するところが最重要ポイントになります。
「核」の主張を見つけろ!
感想文を書くには、まず筆者の主張を捉えることが前提になります。
最初に話の結論となる最重要の主張を見つけましょう。
こうした主張は、大抵は文章の終盤に置かれますから、文章の核心に近づく終盤では特に注意して読みましょう。
ですから、どうしても時間がないなら最後のまとめ部分の周辺だけ読んでみてもいいでしょう。
「提案」を読み取れ!
ここが小説文と論説文・説明文の大きな差です。
「問題提起」がある以上、提起されている「問題」に対しての「解決策」が必ず提案されます。
現時点で何が問題で、これから何をすれば理想的な未来に向かえるのか。
これが論説文・説明文の内容のほぼ全てです。
「問題」についてまとめた後に記してあるはずの「解決策」を見つけましょう。
「反対」「疑問」を押し出せ!
問題と解決策を理解したら、いよいよそこに対して自分がどう考えるかを書き始めます。
ただし、全面的同意では話は全く膨らまないので、何か「反対」意見を持ち出しましょう。
とは言え、本を書いている人間は大抵それなりに頭が良いのでそう簡単に反対意見など書けません。
そこで、書かれていることに対する「疑問」を見出してみましょう。
どうしてその論理が成り立つのか?
本当にそれは正しいのか?
まず筆者の主張に対してよく分からないところに疑問を投げかけます。
本を読むというのは難しいことで、中々完全に理解することはできません。
書かれている論理の中で、どこか少しでも引っかかるところを探してみてください。
そして、その疑問を言葉にしてみましょう。
「反対」「疑問」の作り方 〜論理的思考力をつける〜
ここに、ある文章を用意しました。
「ゴーヤは苦いので好きな人は少ない。」
この文章を前にして「反対」「疑問」は思い浮かびますか?
この文章を参考に疑問の見つけ方をマスターしましょう。
事実確認
まず、「ゴーヤは苦い」は事実だろうか?という面に注目して、先ほどの文章に反論してみましょう。
部分的な否定
「ゴーヤは苦いので好きな人は少ない。」 とありますが、確かにゴーヤは外側は苦いですが、ワタは苦くありません。
一部に正当性を認めつつ、部分的に否定する、という方法です。
一般化の否定
「ゴーヤは苦いので好きな人は少ない。」 とありますが、 ゴーヤは下処理をすれば苦くありません。
場合や状況によって違うので一概にそうとは言えない、という否定の方法です。
論理確認
ほかにもこの文には反論の余地があります。「ゴーヤが好きな人が少ない」ことの原因は本当にゴーヤが「苦い」ことなのでしょうか?この因果関係を言い切れる根拠はどこにあるのでしょうか?
理由の不足
「ゴーヤは苦いので好きな人は少ない。」 とありますが、 好きな人が少ないのは、苦いだけではなく食感が悪いからでもあります。
いったんは筆者の論理を認めつつ、根拠に欠けると主張する否定の方法です。
相関の否定
「ゴーヤは苦いので好きな人は少ない。」 とありますが、好きな人が少ないのは、苦いからではなく食べる機会が少ないからです。
提示された根拠を否定して別の理由を主張する方法です。ただし筆者の提示してきた根拠を露骨に否定するのは難しいでしょう。
「自分の意見」に結びつけろ!
さて、筆者の書いた文章において見つけた疑問について、何かを疑問に思ったということは、その先で何か違う結論が導けます。
そこで筆者とは違う「自分の意見」を主張してみましょう。「問題」をはっきりさせることが大切です。
更にそれに対する「解決策」まで書けると良いです。
自分にも読み手にも分かりやすいように、丁寧に一つずつ論理を積み重ねていくことを意識しましょう。
論理の積み重ねができれば、文章は長くとも分かりやすいものになります。
「否定」「疑問」の作り方は、読書感想文以外でも常に必要になる論理的思考の力をつける手助けになります。
しっかり書いて面倒な課題を処理するとともに、文章力も思考力もばっちり伸ばしましょう!
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この記事を書いたライター
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