皆さんこんにちは、現役高校生ライターの櫻葉櫻琴です!
過去に全国統一小学生テストの国語で満点を経験したことがあるだけでなく、現在では小説も書いています(こちら)。
そんな私が、中学入試のための「国語力」についてお話しします!
実は、読書は好きだけど国語は苦手な人、読書をしていても国語の成績が伸び悩む人はけっこう多いんです。
どんなにたくさん読書をしていても、「国語の勉強につながらないような読み方」をしているようでは、国語の点数は絶対に伸びません。
この記事では、「読書と国語は関係あるの?」「どうすれば読解力が身につくの?」と不安な方々のために、読解力を上げ、テスト・試験の点数を伸ばすための読書方法を教えます!
この記事を通して、受験生の皆さんに、「国語」や「読書」をもっと好きになっていただければと思います。どうぞよろしくお願いします!
身につけるべき「考え方」とは
文章の「正しい読み方」は存在しないが、「間違った読み方」は存在する!
国語の点数を上げるための物語の読み方は人それぞれです。したがって、「こう読めば絶対に、誰でも点数が取れる!」みたいな王道は存在しません。
…ちょ、ちょっと待ってください。「お前さっき間違った方法がどうとか言ってたじゃん!間違ってるか合ってるかとかどう判定すんねんゴラァ!」なんて言わないでください、今解説しますから!笑
実は、国語のテストの読み方において「正しい方法」は、採点者によって変わりますが、「やってはいけない読み方」をしていることを判定する基準は存在するのです!読み方において〇は絶対につけられませんが、×は結構つけられる。これが国語という教科ではないかな、と思います。
『国語的視点』と『読書的視点』はどう違うのか?
国語のテストにおいて、「読み方の〇×」を判定する基準はたった一つです。それは、「登場人物の考え方を理解することができているか」。次はこれについて解説することにしましょう。
例えば、
「彼は泣いていた。」
という文があります。この文を使って、『国語的視点』と『読書的視点』の違いを見ていきましょう。
○ 国語的視点
国語のテストでの読み方では、「彼」がなぜ泣いているのかを考えなければなりません。「彼はあまりにも嬉しくて泣いていた。」と書いてあったなら彼は嬉しいとわかるし、「彼はとても悲しくなって泣いていた。」と書いてあったなら悲しくて泣いているのだ、と特定できます。
(これを『国語的な視点』と呼ぶことにします。)
○ 読書的視点
他方、私たちが普段小説などを読む際には、こんなことは考えません。「なぜ」泣いているのか書かれていないことがほとんどだからです。考えるのは、「自分」が “彼を通して” 物事を体験し、どう感じたか、です。つまり、自分が彼の立場になって想像したときに、「悲しかったのだろう」と思ったから「悲し泣き」だと判断し、「嬉しかったのだろう」と思ったから「嬉し泣き」と判断するのです。
(これを『読書的な視点』と呼ぶことにします。)
○ 『国語的視点』と『読書的視点』の違いをまとめると
『国語的視点』は、ある種の神様が見ているように(文章の描写に忠実に)「彼」を俯瞰した視点で見ることを指し、『読書的視点』は、「彼」の肉体を乗っ取った状態でVRのような視点で見ることを指している、といえばわかりやすいでしょうか。
2つの視点を混同させてはいけない!
なぜ混同してしまうのか?
これら二つの視点を、普段から区別したり、意識して使い分けたりしている人は、なかなかいないように感じます。
読書的な視点と国語的な視点はなぜ混同されるのでしょうか。それは、多くの場合、『読書的視点』でも『国語的視点』でも、着目する場所自体は同じだということに由来します。読書的な視点でも「彼はあまりにも悲しくて泣いていた。」と書いてあったら彼は悲しいのだ、ということをわかったうえで「泣いていた」という動作をシミュレーションするので、彼は悲し泣きをしているのだ、と感じることができます。一見すると、どちらの視点も結果が変わりません。
混同してしまうと、出題者のワナにハマる!
この二つの視点の混同が問題になるのは、例えば
「彼はどしゃ降りの雨の中で泣いていた。」
のような時です。読書的視点では、この文だけで彼がどっちで泣いているのかなんとなく理解できます。多くの人は思うでしょう、「どしゃ降りの雨の中で泣くのは悲しいときだろう!」と。もしくは、「作者はどしゃ降りを彼の悲しい気持ちの比喩としてとらえるだろう!」と思うかもしれません。そしてそれは十中八九正しいのです。しかし、そこにこそ視点混同の罠が潜んでいるのです。
『国語的視点』から見ればこの場合の彼の心情は確定できません。なぜなら、文章で出てくる登場人物の価値観が必ずしも自分の価値観と合う人ばかりではないからです。それで、「彼」の考え方を探るために文脈を判断し、前後を読みます。「文脈を判断しろ」だとか、「前後を読め」と塾などでよく言われるのはこのことでしょう。
つまり、『読書的視点』では思考にバイアス(偏見)がかかった状態で読みますが、『国語的視点』ではそれを嫌います。できるだけ思考に色眼鏡がかかっていない状態で読もうとするのが国語的視点なのです。(もちろん「完全に」色眼鏡がかかってないクリアな状態にすることはできませんが。)
じゃあ、国語的な考え方を身につけるには? 〜おすすめの勉強法〜
おっと、こんな面白くないことをいつまでも話していては嫌われてしまいます。えっと…そうだ、「この国語的視点を身につけるためにはどうすればよいか」、これを解決しなければなりませんね。
国語的な視点になれるための手順自体は簡単です。
その① 小説を買ってくる
ミステリ系以外であれば何でもよいですが、最初のうちはあまり長すぎない本や、低学年向けの本のほうが、読む負担が少ないかもしれません。意外と低学年向けの本も馬鹿にはできません!
その② 意識的に文脈を読む
②意識的に「どうしてこの気持ちなのだろう、どうしてこの行動をしたのだろう」という問いを立てて、それの答え、そしてその理由を必ず文章中に見出して、最後まで読むようにしましょう。(あやふやなものもありますが、できるだけ “自分の考え” で答えを決めつけないようにしましょう!)
以上です。この読書中、立てた答えや理由が間違っているかどうかは全く考慮しなくてかまいません。この練習は「いかにして読めば国語的視点から効率よく気持ちを読めるか」をそれぞれが見つけるためのものなので、それが身につけられれば、後は塾のテスト、模試、さらにこの記事のオリジナル問題などで考え方の間違いの矯正が可能です。
国語が苦手な人はどうすれば良い?
本が苦手な人、国語に苦手意識がある人、そもそも他の教科や習い事に追われて時間が取れない!という人なんかは、ライトノベルを題材にするのもおすすめです。
親御様の中には、「ライトノベルなんて勉強にならない!」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、中高生向けに書かれているライトノベルは、ご子息も単純に興味が向きやすいですし、絵があるのでそれも読解の若干の助けになるのではないかな、と思います。
ちなみに、私のおすすめは岬鷺宮さんの『読者と主人公と二人のこれから』という本です。いつか一記事割いて思いっきり語りたい。
…っと。話がずれましたが(笑)、要するに、参考書と同じで、最後までしっかりやり切れるものを選んで読みましょうということです。一冊意識して読めば、その人にあった効率の良い理解の仕方が身についてきます。
最初のうちは難しいしちょっと辛いのではないかな、と思います。ですが、読解力は、受験までという短いスパンでももちろん大事になりますが、一生のうちで必ず大事になってくるものです。人間は「文字」から逃げることはできません。同じ逃げられないのなら、「文字」と友達であったほうがいいのではないでしょうか。
櫻葉櫻琴でした、ありがとうございました!
参考記事:こちらのページもぜひご覧ください!
この記事を書いたライター
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