【寄稿】「当たり前」の受験をやめる勇気(2) “見えない壁”に阻まれた 地方と東京の圧倒的格差

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※この記事は2019年2月にハチ東京の名義でnoteに投稿されたものです。

私は、関西の田舎に生まれ、青春をそこで過ごし、そして大学から晴れて夢だった東京に進学した。だが、喜びもつかの間、その後、地方の育ちと東京の育ちの格差を何度も味わうことになる。東京には地方にいたのでは気づかない、見えない壁がそこにはあり、その壁に何度も苦しめられ続ける。

第2回では、東京に出た時に気づいたその”壁”について書いていきます。

第1回:既に決まっている2020年教育改革の”失敗”
第2回:”見えない壁”に阻まれた 地方と東京の圧倒的格差(★)
第3回:それでもAI時代に輝く、都内進学校の”文化資本”と”ネットワーク”

※文章中で触れられる都内進学校とは、筑駒/ 開成/ 麻布/ 筑附など、自由闊達な校風と比較的高い偏差値を持つ中学/ 高校のことを指します。

3.新しい時代の働き方のロールモデル不在の地方

私は関西の零細自営業の家の長男として生まれ、同郷のそれなりの進学校に進学し、大学から東京に進学した。

私が東京に出て衝撃を受けたのは、生まれ育った地方に比べた時の圧倒的な「働き方の多様性」だ。高校の先輩が若くして起業して会社を上場させ、30代にして億万長者になっていたり、親がプライベートジェットで各国にある会社の支店を飛び回っていたりする。
更に言えば、大学の同期にも高校生の時に起業して成功し、月に数百万の収入がある人もいたし、高校生の頃から圧倒的な知能を持ち、在学中に教授と本の執筆をしてた人もいた。普通に大学を休学して、起業したり世界を放浪する人もいた。(平然と休学できる余裕や感性にビックリした)
正直なところ、地方にいた時はこんな生き方をしている人を見たことが無かった。自分の今までの価値判断基準で測れないような、「スゴいヤツ」の数もさることながら、その幅もめちゃくちゃ広いのだ。

会計ソフトfreeeの開発/ 販売を行う株式会社freeeの創業者佐々木さんは開成中学のOBだ。Forbesの「日本の起業家ランキング」にも選出されている。

地方出身者、またはその親は、東京に進学しても多様な働き方に気づかない/ 適応出来ないため、就活でも伝統的な大企業をなんとなく受けて、なんとか苦労して1,2社受かって、平凡な人生を歩んでゆく傾向があるのを感じる。
東大や京大に進学して、官僚、メガバン、商社、大手メーカー、出戻りして県庁、地銀に行った同郷の人たちはとても多かった。親も、伝統的な日本の成功の価値観をもって、子供の平凡な就職や社会人になることを支持する。私は結局、地方にいた時では想像も出来なかったような仕事についたが、就職当時、大反対されたものだ。私の母は、相変わらず大企業か官僚になって立身出世する息子像を捨てきれていない。

現在、霞が関では官僚が超重労働で働いており、なおかつ出世も上が詰まり、天下り先も望むらくもないことは、既に東京の学生の間では有名な話である。だが、地方においては地方公務員が所得も高く、あまり働いていない(ように見える)ので、夫婦ともに地方公務員で共働き世帯が最強という考えが地方では流布しており、国家公務員ならもっといい生活が出来るのではといった幻想が依然として存在している。都内進学校には親またはOBが官僚、という子供は結構多く、そのネットワークから霞が関の現状を良く聞いているので、最近は目指す人は少ない。現在、非常に高い意欲を持って官僚になることを意気込んでいる人たちは、実は地方進学校出身者ばかりである。多くの場合、霞が関に実際に入庁してからその壮絶さを認識することが多い。

こういった経験から痛感するのは、地方には、これから迎える新しい時代の働き方を体現した”大人”が存在しない、ということである。いたとしてもそれは実に付加価値が高い働き方のはずであるので、早晩に東京に出ていってしまう。AI時代には殆どの仕事が無くなる、創造性の高い働き方を!、といくらテレビや政策から喧伝されたとしても、じゃあどうしたらいいの?という答えに答えられる大人は地方では皆無に近いであろう。

そういった点で、都心部であれば、じゃあどうしたらいいの?という問いに対する自分なりの回答を持ち、試行錯誤しながら挑戦している大人に出会える可能性はぐっと高まる。都心には身の回りに多様な働き方をしている先輩や、同期が多く存在しており、多くの場合、勇気を持って連絡をとってみれば話を聞いてくれたり、ツテを辿っていけば辿り着ける可能性が高い。そうしてその人の歩んできた人生と自分の歩んできた人生と、自分の置かれている環境を見つめながら、新しい時代の働き方に進んでいくことが出来る。

真綿で首を締められるような感覚がずっと続く日本の田舎

余談ではあるが、日本の田舎ではその地域の中でお金が回る、ある種”互助的な”ゆるやかなネットワークで経済が回っているので、”突然死”も無いし、地域の繋がりを持っていれば、必要な生活は出来るものだ。

各地域に”地方豪族”、”ヤンキーの虎”と形容されるような地域のリーダーがいて、リーダーのもとに多くの企業が連なり、地域の人が職人やサラリーマンとして働くことで支えられている。この関係性の中に、新しい時代の新しい働き方が出現することは少ない。昔とそう変わらない働き方ばかりが地方には残ることとなる。

こうして、自営業とサラリーマンが絶妙なバランスを取りながらそれなりの生活を得ることが出来ているが、子供の数は減り、有望な若者はみな都会に向かい、どんどん高齢者が増え、みな、どことなく、真綿で首を締められるようなじりじりとした焦燥感に襲われている。そしてその直感は正しいのだと思う。

映画『悪人』は田舎のどことなく苦しい気持ちを絶妙に表した大好きな映画だ

4.インターネットで”広がる”都心と地方の情報格差

インターネットの普及により、誰でも、いつでも、どこにいても同じ情報が手に入るため、都心と地方の情報格差は無くなると世間一般では言われてきた。だが私は、インターネットの普及によって、むしろ個人間の情報の差は拡大していると考えている。

普段はあまり気が付かないかもしれないが、インターネットの検索力、いわゆる”ググり力”は、実は個人によって明確に差が出ている。特定のワードの意味を調べるならまだしも、起こった事象やその背景などを調査しようと思えば、どんなキーワードで調べるのかかなり能力を要求されるし、そもそも検索で上がってきた記事やサイトの言っていることがどこまで事実で、どこまでが筆者の考え方なのかを見抜く必要がある。

更に悪いことに、数年前に比べ、検索の上位にはSEO対策されたアフィリエイト記事やまとめサイト、キュレーションサイトが並び、中にはフェイクニュースもある。こういった状況下で質の高い情報を見つけることは従来に比べて難易度が増している。

これら玉石混交の情報を統合し、最終的な結論を導くことは実は至難の業である。

そういった高度な”ググり力”は自然発生的に覚えるのは難しい。多くの場合、身近にそういった”ググり力”に長けた人がいて、その人に教えてもらいながら少しづつコツを掴んでいくのが普通である。

残念ながら地方にはそういった高い情報処理能力を持った高度な人材が絶対的に少ない。そういった仕事が求められる仕事が少ないからだ。(あったとしても、そもそもその人材要件に気づいていないことも多い)また、そもそも疑問が出た時に”ググる”という習慣がそもそも無い人は本当に多い。
結果として、地方で普通に育つと、あまり”ググり力”のない子供が育っていくことになる。地方の学校の先生の検索能力は推して知るべしであろう。

また、本当に大切な情報は結局のところ、インターネットには殆ど流されず、ネットワークと足で稼ぐしかない。インターネットの普及によって「ありふれた情報」へのアクセスは容易になったが、「本当に価値のある情報」には結局アクセス出来ない状態は続いている。また、情報はあれど、「体験」の出来る場は地方には殆ど無いと言っても良い。多くの場合、人は情報で成長するのではなく、「体験」によって成長するのである

5.地方進学校の受験”監獄化”

翻って地方進学校を見ると、ここ10年ほどの地方進学校のトレンドは”東大・京大進学予備校化”だ。うまく学校の風紀を統制し、勉強に、東大・京大への入学のために、多くの宿題を貸し、時に早朝や夕方の補講講座を実施することで、この10年で吹き荒れた”アンチ・ゆとり教育”の期待に応え、詰め込み教育に先祖還りした学校が進学実績も地元からの評価を集めている。

結果として起こっているのが、地方進学校の受験”監獄化”である。地方進学校(特に公立校)は、文武両道を謳う学校が多く、公立学校に通う生徒は”勉強”と”運動”のどちらか、または両方の選択を迫られ、受験マシーン化していく。

地方進学校では、「やれば出来る」といった掛け声のもと、生徒の個人の特徴や性格、向き不向きを考慮せず、画一的な勉強が押し付けられる傾向にある。成績が良い/ 悪いの軸で基本的に評価され、悪いと評価された生徒は親が絶賛する「熱心な指導」のもと、居残り学習、追試、早朝学習への参加が強いられ、勉強に追い立てられる。教師はベネッセや学習塾より入手した薄っぺらい受験情報やテクニックを語り、「君たちに残された道は受験しかない」と言わんばかりに、しょぼい受験勉強の知識を詰めこまされる。放課後は部活に励むことが奨励され、数十年前と変わらない非科学的な練習風景が広がっている。進学は個人の夢や特性はほとんど考慮されず、学校の進学実績のために偏差値を見て、東大や京大、または医学部への進学を強要されることが多い。当然、上位校はそう簡単に受かることは無い。それは教師も経験上よくわかっている。それでもなお「やれば出来る」といった掛け声のもと、遥かに自分の実力と離れた志望校選びが正当化され、多くの生徒が浪人し、予備校通いを余儀なくされている現実がある。

感受性が人生の中で最も豊かになる中学~高校時代に、受験に関する情報やスポーツによる運動しか与えられないことは、本人の人間性の形成を著しく阻害することになる。本人の価値観醸成の基盤となる思春期に一緒に過ごす人の影響はとても強く、地方進学校の教師によって「画一化されてしまった」友人と過ごすより、都内進学校の自由な雰囲気の中で、優れた才能を潰されずに育ったいろんな種類の人たちの中で、刺激を受け、時には挫折を味わいながら成長した方が、本人の人間性向上に資するのは誰の目から見ても自明であろう。

AI時代には多くの仕事は無くなる。その最たるものが、知識で持つ専門職系、そして繰り返し作業系の仕事だ。AI時代には、全ての人が「人間しか出来ないことは何か?」を否が応でも考えざるを得なくなる。地方進学校はその基盤となる本人の多様性や人間性を奪って、潰して、受験競争に駆り立てる。思春期に勉強だけでなく、人間性を高める教育を行う重要性が増しているのにもかかわらず、地方進学校は逆行する。

6.都内進学校(御三家ら)による日本最優秀人材の”死蔵”

実は、都内進学校も実は地方進学校とそう違わない。当たり前のようにサピックスに通って都内進学校に進学した生徒は、当たり前のように鉄緑会に通い、文化祭や体育祭を頑張り、東大に進学していく。学校側からの勉強の要請が多少薄いだけで、都内進学校に通う生徒も、勉強か運動か文化祭/ 体育祭かのせいぜい3つくらいしか選択肢がない

非常に才能のある子どもたちが、結局他にやることも機会もないため、須らく文化祭に熱中し、塾に通い、ゲームをし、中高6年間を暇に過ごしている。彼らの才能からすれば、正直東大進学や医学部進学は余裕である。あり余る才能を勉強と文化祭に費やさざるを得ないのが現状だ。確かに結構な数の人が、数学オリンピックや物理オリンピックなど、○○オリンピックに出場し、非常に優れた才能を発揮、伸ばしているが、あくまで少数派である。

先生はかなり良い先生も揃っていることが確かだが、全ての生徒に、本人の個性に合った”生き抜く力”を授けるのは難しい。残念ながら有り余る生徒の才能を全て活かしきれる先生は少ない。基本的には生徒が自らそれを発見することが求められている。残念ながら都内進学校も日本最優秀人材の”死蔵”をしてしまっているのが現状だと思う。

上記を踏まえると、今後は地方であろうと都心であろうと、親は学校だけでなく、学校の外にも本人の個性に合ったこれからの時代を”生き抜く力”を身につける場を早期に作ることが必要になってくる。

~第3回「それでもAI時代に輝く、都内進学校の”文化資本”と”ネットワーク”」に続く
(もう少し、東京と地方の格差についても書いていきます)


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