【中学受験問題解説】 【必見】 都内進学校生が難関中学の算数の問題を徹底解説してみた 灘中2日目・編





中学入試算数の名問を取り上げ、現役高校生が解説するこのコ―ナーも、はや3回目を迎えました。今回は関西の雄、灘中学校の算数(2日目)からこの1問を取り上げてみようと思います。

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この問題が今年のほかの問題と一線を画すのは、誘導がないからです。今年の灘中2日目の問題は、どれもとても難しいですが、誘導の意図を理解すればどれも少なくとも方針だけは立ちます。しかしこれは、ヒントがあるとはいえヒントの意図を理解するのは少し大変です。特にヒントの最後の「1000=7*143-1」は、何が言いたいかさっぱりわからなかった人も多いのではないでしょうか。

それでは、僕がこの問題に誘導をつけるという形で、解説したいと思います。

1⃣改

(1)2つの数があります。両方とも7の倍数だとすると、それらを加えても引いても7の倍数だと示してください。

(2)4桁の数があります。(例:4018)この数の下三桁(例:018=18)から、上一桁(例:4)を引いたところ、7の倍数(例:18-4=14)になりました。この時、もとの数(例:4018)が7の倍数だと示して下さい。

(3)4桁の数Aと、その十の位と一の位を入れ替えた数4桁の数Bがあります。この二つの数の差(大きい方から小さいほうを引いた数)が7の倍数となるのは、Aの十の位の数字と一の位の数字の差が0または7であるときだけだと示してください。

(4)4桁の整数Aは百の位の数字が0です。Aの十の位の数字と一の位の数字を入れ替えて4桁の整数Bを作ります。4018と4081のようにAもBも7の倍数となるようなAは全部で何個ありますか。

ただし、(1)~(4)では、以下の「ヒント」を参考にして答えなさい。
「ヒント」1000=7*143-1
  4081-4018=63=9*(8-1)
  4082-4028=54=9*(8-2)

(1)これはまあいいでしょう。

2つの7の倍数を7*〇、7*□と表すことにすると、

7*〇+7*□=7*(〇+□) (結合法則)

7*〇-7*□=7*(〇-□) (結合法則)

よりいずれも7の倍数となる。(証明終わり)

(2)7の倍数判定法を、ヒントの1つ目を使って求めます。

4018=4000+018=4*1000+18と表せる。この時、

18-4=4*1000+18-4*1001=4018-4*1001=4018-7*(4*143)

であり、一方で18-4=14=7*2なので、移項して

4018=7*2+7*(4*143)=7*(4*143+2)

となり、4018は7の倍数とわかる。

つまり、1001は7の倍数なので、4桁の数において

(下三桁)-(上一桁)=(元の数)-(上一桁)*1001=(元の数)-(7の倍数)
となり、

(下三桁)-(上一桁) が7の倍数の時、元の数は移項して

(元の数)=(下三桁)-(上一桁)+(7の倍数)となり、(1)よりこれも7の倍数とわかる。(証明終わり)

この事実を使うと、こんな問題も早く解けますよー

(練習)652659を7で割った余りは?

(答)652659-(652*1001)=652659-7*(652*143)=659-652=7より、
652659=7+7*(652*143)=7*(652*143+1)で、652659は7の倍数で、余りは0

(3)ここで残りのヒントを使います。

ヒントを見てこの事実に気づけた人は証明はいりませんが、結構見落としがちな4011,1022などの十の位の数字と一の位の数字の差が0のグループに気づけたかが勝敗の分かれ目でした。ではいきましょう。

ヒントを見ると、十の位を入れ替えても、百の位以上の数は変わらないので、引き算すると消えるのが分かります。(例:4081-4018=81-18=63)

そこで、十の位の数を〇、一の位の数を□として、〇□―□〇を考える(簡単のために〇のほうが□より大きいか□と同じとする)と、

〇□は〇*10+□、□〇は□*10+〇となるので、

〇□―□〇=(〇*10+□)-(□*10+〇)=9*(〇-□) となります。これが7の倍数となるためには、〇-□が7の倍数であればいいですね。しかし、〇も□も一桁で、〇のほうが□より小さくないので、〇-□も一桁です。よって、〇-□が0か7であればよいとわかります。(証明終わり)
(0もれっきとした7の倍数です。7*0=0ですから。)

(4)いよいよ本題です。

灘の問題は怖いですね。上で今まで行ってきたことがすべてこの短い問題文に含意されていたのです。ではいきましょう。

これまでやってきたことから、ある4桁の7の倍数Aがあったとき、Aの十の位の数字と一の位の数字を入れ替えてつくったBが7の倍数となるためには、Aの十の位の数字と一の位の数字の差が7の倍数であればよいとわかります。

二数の差が0または7となる〇□の組を書き出してみます。今回は〇と□の大小に制約はありません。例えば4081と4018はともに条件を満たすように、〇□が条件を満たすなら□〇も条件を満たすからです。

00, 07, 11, 18, 22, 29, 33, 44, 55, 66, 70, 77, 81, 88, 92, 99となりました。

ここで、(2)より、これらから1~9を引いて、7の倍数になるものがあればそれが上一桁の数字として条件を満たします。(0はだめです。上一桁ですから。)

00…7のみ(引けませんが、7000は明らかに7の倍数だし、0-7=-7=7*(-1)となり7の倍数ともいえる)
07…7のみ
11…4のみ
18…4のみ
22…1, 8
29…1, 8
33…5のみ
44…2, 9
55…6のみ
66…3のみ
70…7のみ
77…7のみ
81…4のみ
88…4のみ
92…1, 8
99…1, 8

これらから、2*5+1*11=21通りあるとわかり、これが答えとなります。

念のため全部書き並べてみると、

7000, 7007, 4011, 4018, 1022,
8022, 1029, 8029, 5033, 2044,
9044, 6055, 3066, 7070, 7077,
4081, 4088, 1092, 8092, 1099,
8099
で総計21個ですね。

今回のポイント

・誘導のない問題は誘導を自分で考えて解く!

・10までの数の倍数判定法は必ず頭に入れる!できれば16まで!

今回は、誘導のない特殊な問題を、誘導を作ることで解いてみました。今回のように、誘導はなしでヒントがある問題はとても珍しいですが、そういう時はヒントをもとに、自分で誘導を作ってみるのもいいでしょう。誘導を作ろうとすると、自然と考えが筋道だって来ます。実際に問いとして書き出す必要はありませんが、このヒントはどこで使うのだろう?という発想のもとに自分で自分を誘導できると、問題解決はすぐそこです。

また、今回は「7の倍数の判定法」が出ましたね。僕の誘導の(2)に当たります。倍数判定法は知識さえあればすぐわかりますが、知識がない状態で解こうとするとまず無理です。そこでまずは、10までの数の倍数判定法を頭に入れるといいでしょう。できれば16まで知っているといいかもしれませんね。ということでこの下に倍数判定法を書いておくので、ぜひ覚えてくださいね。証明は省略させていただきます。

倍数判定法~16まで~

2…一の位が偶数

3…各位の数をすべて足して3の倍数

4…下二桁が4の倍数

5…一の位が5の倍数

6…2かつ3の倍数→2,3を参照

7…下から順に3桁ずつ区切り、その3桁の数を交互に足し引きした値が7の倍数
  (例)977489513の場合977|489|513と区切り、
    513-489+977=1001=7*143なので977489513は7の倍数。

8…下3桁が8の倍数

9…各位の数をすべて足した数が9の倍数

10…下一桁が0

11…各位の数を交互に足し引きした値が11の倍数(超重要)
  (例)977489513の場合
    3-1+5-9+8-4+7-7+9=11なので977489513は11の倍数。
これを用いると素因数分解で困ったときによく打開できる

12…3かつ4の倍数→3,4を参照

13…下から順に3桁ずつ区切り、その3桁の数を交互に足し引きした値が13の倍数
  (例)977489513の場合977|489|513と区切り、
    513-489+977=1001=13*77なので977489513は13の倍数。

14…2かつ7の倍数→2,7を参照

15…3かつ5の倍数→3,5を参照

16…下4桁が16の倍数

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