スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の実態をわかりやすく解説





【中学校、高校選びの時に知っておきたい、新しい学校選びの基準】

「SSH」(Super Science High Schools / スーパーサイエンスハイスクール)という制度についてわかりやすく、簡潔に紹介します!

「スーパーサイエンススクール」(略してSSH)は、文部科学省が教育改革の一環として、「従来の指導要領を超えたレベルの活動を目指す全国の中学校と高校」を指定して支援する制度です。

しかし一言でSSH指定校と言っても、その活動内容は学校ごとに大きく異なります。またSSHに関する取り組みをしっかりと理解して学校選びの基準にすることが重要です。

1.「SSH」とはそもそも何?偏差値高いの?

そもそもSSHとは

文部科学省では、将来の国際的な科学技術関係人材を育成するため、先進的な理数教育を実施する高等学校等を「スーパーサイエンスハイスクール」として指定し、学習指導要領によらないカリキュラムの開発・実践や課題研究の推進、観察・実験等を通じた体験的・問題解決的な学習等を平成14年度より支援しています。(文部科学省HPより抜粋)

つまりSSH指定校は文科省から支援金(年間900~1700万円)を受け、理数系の分野においてより進んだ教育を行うということです。

そして具体的には以下の4つのような活動が行われることが多いです。

・校外(海外)研修や実習

・生徒主体の課題研究

・講演会

・発展的な授業、ゼミなど

校外研修や課題研究に参加できる生徒は限られていることが多いため、自主的にSSH活動に参加しないければせっかくの機会を逃すことになってしまいます。

大切なのは自主性、主体性をもって活動するということです。

もし理数系ではなく国際交流や留学などに興味があるなら、

「SGH」認定校って何?

という記事も参考にしてみてください。

SSHは学校選びの基準になるか

結論からいいますと、

「SSH指定校ならば必ず理数系の高度な教育が受けられる」という訳ではありません。

平成30年度のSSH指定校は全国で204校にもなります。

そのため一言でSSH指定校と言ってもながく活動実績がある学校から、新しく指定されたばっかりの学校もあります。

またSSH指定は原則として5年ですので、仮に今SSH指定校だとしても、その後指定が終了してしまうかもしれません。

ですので、学校ごとのHPで

・どのような活動をしているのか

一言に理数系と言っても内容もレベルも学校によって異なります。

・継続的な活動実績があるか

実績が少ないと指定を終了されるおそれがあります。

文部科学省が中間評価を出しているのでそちらを参考にしても良いと思います。

・そもそもその学校自体が魅力的であるか

といったことを確認し、SSH活動を学校選びの判断材料の一つにすることが大切です。

SSH指定校のメリット

・理系の生徒が多い

SSH指定校にはもちろん理系を目指す生徒が多く集まってきます。互いによい影響を与えられる同級生の存在はとても重要です。

・充実した設備がある

SSH指定校では文科省からの支援金により他の国公立の学校よりも充実した設備や大学並みの設備があることもあります。

・様々な体験ができる

多くのSSH指定校には高校と大学が連携して行われる高大連携プログラムなど、実際に先端の技術、研究に触れる機会が設けられています。

そこで自分の興味のある分野や明確な目標を見つけられるかもしれません。

しかしただ漫然と学校に通っているだけではSSH活動の貴重な機会を逃してしまうかもしれません。SSH指定校で有意義な中学、高校生活を送るためには、主体性をもって活動に参加することが大切だと思います。


どんな学校がSSHに指定されているの?

ここからは具体的な学校名や取り組みを紹介していきます。

東京都内の指定校

東京都内にはSSH指定校が13校あります。

そのなかでも特色のある学校について紹介したいと思います。

小石川中等教育学校

中高一貫校という特徴を生かし、6年間通じて高度な理数教育を受けられます。また小石川フィロソフィーという独自のカリキュラムに基づいて課題探求型の学習を行っています。

論理的思考を育てるプログラムや校内スピーチコンテストを行うなどより多くの生徒が参加しやすい活動が充実しています。

6年間ある学校生活を通じてより理数分野への興味関心を持つことができるでしょう。

東京工業大学附属高等学校

東京工業大学の附属高校ということもあり、理数系の中でも工学系に特化した高校です。

学校内でも専門分野によって分けられ、非常に専門的な教育を受けられます。

SSH活動もその一環として行われており、すでに研究したい分野が決まっている人にはとてもおすすめです。

またSGHにも同時に指定されている珍しい学校です。

特色あるSSH指定校

首都圏や地方のSSH指定校の活動を紹介します。

市立千葉高校

千葉市立千葉高校は理数科だけでなく普通科にもSSHコースを設け、ともにSSH活動に基づいた教育を行っています。

ヨセミテ国立公園でのフィールドワークなどSSH指定校のなかでも珍しいアメリカでの研修の機会があります。

文部科学省が行う中間評価でも最も高い評価を得るなど、SSH活動による成果をしっかりと上げている学校です。

県立福島高校

福島高校には「スーパーサイエンス部」というSSHの活動に取り組むための部活があります。

この部では福島第一原発事故後の放射線量の測定や温泉を用いてウナギを養殖する研究など地域に根差した特色ある活動を行っています。

特に放射線量の測定では世界各国の高校生216人と協力し福島県内の被ばく量に関して論文を発表するなど、精力的に活動をしています。

SSH発表会とは?

ここまで読んでみてSSHに関心を持った方はぜひSSH指定校の発表会に行ってみてはいかがでしょうか?

毎年夏に「SSH生徒研究発表会」という全国のSSH指定校があつまり生徒研究について発表する会が神戸で行われています。

また全体の発表会だけでなく、学校ごとに発表会を開催していることも多いです。

https://www.jst.go.jp/cpse/ssh/event/list.html

こちらのHPから個別のSSH発表会の予定が確認できます。近くの高校などの発表会を見学して、雰囲気を感じてみるのもいいかもしれません。

(一般公開されていない場合もあります。詳しくは各学校のHPなどでご確認ください。)

東京都SSH指定校合同発表会に参加した人に話を聞いてみた

2018年12月23日に工学院大学で開催された「東京都SSH指定校合同発表会」に参加した筑波大学附属駒場高校の生徒に話を聞いてきました。

Q.そもそもこれはどんな会なのですか?

A.この会は東京都内のSSH指定校13校が集まり日頃の成果を発表する会です。口頭とポスターでの発表を通じてプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を高めるという目的もあります。

【まとめ】SSHとこれからの社会

最後にこれからの社会で必要となる人というと一言で納得できる説明をするのは非常に難しいですが、ただ学校の授業を受ければよいという時代ではありません。

短期的に考えればSSH活動は大学受験勉強の妨げになる、と思うかもしれません。

しかし中高時代にSSH活動に主体的に参加し、様々な人と関わり、「自分」でやり切ったという経験は、必ず大学での研究や社会に出た後に必ず役に立つと思います。

SSH指定校で自分にしかできない中学高校生活を送ってみてはどうでしょうか。

この記事を書いたライター

森中 柊
森中 柊東京受験.jp 編集長
東京受験.jp 編集長、筑波大学附属駒場高校2年です。皆さんに有益になる情報を発信し続けることを目標に、日々運営しています。