はじめに
こんにちは。都立武蔵中3年のさとぅーです。
今回は、国立でも私立でもない、都立の中学校について、現役生として紹介するシリーズその1です。
初回なので、私の通っている都立中とはどんなところで、今後どんなことを紹介しようと思っているかをまとめました。
都立ってなんぞや?という方、また、都立を目指している方にも、面白くお伝えできれば嬉しいです!これからよろしくお願いします。
都立中高一貫校って?
区立中も含め、都内に11校ある、都立の中高一貫校のことです(こちらが一覧です)。私の通っている都立武蔵中のように、都立高校に中学校が附属しているところや、中等教育学校として高校から入学する生徒がいないところがあります。といっても、武蔵は2021年度から、後者のように高校から生徒を募集しない方針に変わります。
概要
学費
普通の公立中学校と同じです。
今後留学を考えているなど、私のように、私立の学費を払うのは少し難しいという人も、受験を勝ち抜いた仲間と、高みを目指してよい教育を受けることができます。 私立中と併願して受ける人も多いですが、私のように都立一本で受けた人も、同級生には結構います。
ただ、副教材として私立中などで扱うような教材(数学は体系数学)を購入することもあります。
設備
私立にはかないませんが、普通です。生徒、先生、と清掃員の方とで、こまめに一生懸命掃除しています!
学校によっては、私立並みの設備かつ、とても綺麗なところもあります(私的には都立大泉中が筆頭です)
ただ、高校と一緒なので、普通の公立中にはない実験器具があるなど、どの都立中学も楽しめます。SSH、SGHに指定されているところは、もう少し楽しめることが増えると思います。
先生
高校で教えている先生に授業をしてもらったり、質問ができたりするので、向上心を持てば自分の好きなように上がれます。
出会える先生が多いので、もしかするとものすごく気の合う先生にも会えるかもしれません。
雰囲気
私は地元の市立の小学校に通っていたのですが、その時と大きな変化は感じず、のんびりと学校ライフを送っています。全員積極的 or 全員消極的、というわけではなく、育った環境も様々で、色々なタイプの人が集まっています。
一つ思うのは、オタク、マニア率がちょっと高いなあということです。何かを本当に極めている人(達人のような人)がクラスに結構います。皆何か一生懸命やっていることがあり、またそういうものがない人が生きにくさを感じることはないなと思います。
そして、都立中は「適性検査」という一風変わった入学試験を行います。
特殊な入試、適性検査とは?
適性検査は、下の写真のようにⅠ、Ⅱ、Ⅲ(一部の学校のみ)の三つの試験から成っています。
Ⅰは主に国語です。文章を読んで、問題に沿って要約したり、自分の意見を作文にしてまとめたりします。(基本400字です。これをひたすら練習しまくります)
Ⅱは、何の教科とも定められないのが特徴です。理科、社会、算数など様々な教科の関係する問題が出題されます。基本的には、用意された資料を見て、自分なりに考察し、問題に対する意見、解法などを記述します。3つのテストの中でも最も問題、作業量が多くなりがちなので、高得点を狙うのに苦戦する受験生は多いと思います。
Ⅲは、一部の学校が独自で作成します。理数系のテーマで、幅広い内容が扱われます。学校で開くイベントの計画表を作る、いちごジャムづくりをする、など個性的な問題がでることもあります。好きな人は好きなやつです。
私の印象では、適性検査は、考える力、伝える力が重視された試験だったなと感じます。
さとぅーの考察
特徴その①目を疑う情報量
過去問を見ていていただけるとリアルにその恐ろしさを感じられると思うのですが…。
ものすごい量の文章、表やグラフなどがびっしり書かれています。多いものは17ページにもわたります…!
しまいには、春子さんや冬樹さん、武蔵君(都立中受検生なら、きっとしつこいほど目にします)などがえんえんと会話をし始めます。思わず突っ込みたくなるような会話をしているときもあります。その会話文から、問題を解く情報を探し出すのです。
すなわち、問題を解くのに必要な情報を取捨選択できるかどうかが強く問われています。
特徴その②ひたすら記述
「これについてあなたはどう考えるか」「どうやって解いたか説明しなさい」と、たくさんの文字を読んだと思ったら、今度は自分たちが書きます。ここで大事なのが、
分かりやすく、シンプルに伝える→必然的に文章は短い、要約をする
すなわち、問題の文章は長くても、自分の回答はできるだけかみ砕くという作業が必要になります。この記述の対策としては、新聞の記事内容を要約したり、それに対する自分の意見を簡潔に書いたりする、というものが有効みたいです。
特徴その③知識を直接問わない
察している方もいらっしゃると思いますが、基本、問題を解くのに必要な情報は書かれています。(そうでなければ、あれだけ分厚い問題を渡してさらに…とひどい話になってしまいます…!)問われているのは、考える力なので、どれだけたくさんの知識を覚えているか、はそこまで重要視されません。
ですが、知識があることはやはりとても大切です。例えば、問題の会話文の中で、
冬樹くん「秋子さん、コップに水をできるだけ入れると、水の表面が不思議な形をしているよ。コップをはみ出してこぼれそうなのに、こぼれない!」
とあったとき、あーこれ表面張力の話だ、と知識があると、問題のイメージがある程度わきます。情報が多く焦りがちな適性検査では、これらはとても強い武器になります。
適性検査は知識を与えた上でそれをどう活用するか、も見られているので、あらかじめ知識を持っている人は問題を解きやすい→知識を持っている人が合格する可能性が高い、受かる…⁉と、ある程度の知識を実は遠回しに問われているのかもしれません。
ここまで適性検査について少し詳しく書きましたが、まだまだ奥深いテーマです。勉強していて辛い時もありますが、私はこの適性検査の受験勉強が好きでした。そして、世の中で起きていることについて考える際や、何か活動するときの資料作成など、この勉強でついた力は、今の暮らしにとても生きています。
今後(恐らく次回)の記事で、適性検査の具体的な内容や、私のしていた対策について紹介する予定です。
最後に
今回は、都立中についてほんのちょっぴり紹介しました。都立中は始まってから10年ほどですが、だんだん知名度も上がってきているのかなと感じます。
都立中受検生も含め、受験生の皆さんは、夏に入り、今まさに燃えている頃ではないでしょうか。そして、少し疲れちゃっている人も、いるかもしれません。
全力で応援していますし、このシリーズが少しでも皆さんの心に火をつけ、また、まだ受験生じゃない方たちも、少しでも都立中の魅力を感じていただけたら嬉しいです!
今後は、
- 適性検査の解説、対策
- 受験生の時の生活、大切にしていたこと
- 受験体験談(どうして私が都立を受けたのか、など)
- 現役生として
- 激励!
など様々なテーマを考えています。
都立中シリーズは、私が東京受験でしたいことの中でもメインなので、限界まで絞りだそうと思います。
読んでいただきありがとうございました!
ちなみに、記事を書いている人はこんな人です。
さとぅー(都立武蔵中3年)
宇宙、タイムトラベルもの、最近は脳神経科学に興味を持っています。
物を整理したり、提出物ややることの管理、こつこつが受験生のころから苦手で、今も苦戦中。
ちなみに家族で音ゲーが好きです。
今後ともよろしくお願いいたします!
この記事を書いたライター
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