地方から都心への進学校受験
地方において、都会での中学・高校受験はあまり考慮されるものではありません。特に、わざわざ中学から受験させる意味を感じないという人は多くいます。
その中であえて上京して受験することのメリット・デメリットを、時代と照らし合わせて見ていきます。
変化を嫌う教育体制
「勉強させる」受験の闇
「高校受験で有力な塾は?」
と聞かれると、やはりまず上がるのは早稲田アカデミーでしょう。主に関東圏にしか展開していませんが、毎年100名弱の開成合格者を出すところを見るとある程度信頼がおけそうです。
一方で、こうした塾で行われる教育に対する疑問の声も多く上がっています。
正月からまとめて部屋に閉じ込められ、一日中勉強して「俺たちには、合格しかない!」と、まるで「スクール・ウォーズ」でも目指しているような教育が行われているわけですね。これがテレビで放映される度に「受験の闇」と批判の声が上がります。この受験への疑問の投げかけが受験の意味を考える鍵になります。
中学受験・高校受験のココがいけない
こうした教育法は正直時代錯誤と言うほかないでしょう。レベルの高いクラスを持つ塾講師というのは、往々にして経験のある、つまり年を取っている人間です。こうした人々は、どうしても自分の学生時代の、つまり20〜30年前の教育を頭から追い出せないでいることが多いんですね。そもそも学習は適度に行った方が効率が良いもので、この適量を守れる生徒は夏から勉強しても開成に合格します(実際そのような生徒は一定数いる)。現在の塾教育はほとんどの生徒にとって適量ではないでしょう。
どうしてもある程度経験がものを言う業界ですから、組織の体制的にも、実際の授業的にも、あるいは事務的にも、古い考え・感覚に基づいてしまうことが多いわけです。
こうした考えは何も1つの塾に限った話ではなく、保護者も含めた、教育を行う全ての者が陥ってしまいがちなことです。
何のために受験するのか
さて、現状の教育体制に対して社会情勢はどうでしょうか。
この頃取り沙汰されるもの、AI、少子化、高齢化、教育改革、国際化。これらのために社会は急速に変化し続けています。この変化は近いうちに間違いなく大きく広がるでしょう。しかし、仕事がなくなるとも言われますし、人手が足りなくなるとも言われます。その変化の行く先は誰にも分かりません。
だからこそ、「決められたレールの上」を走らせる教育が終わる時代が来ているのです。学歴社会という過去の形態は終焉を迎えようとしています。今に単なる学校のネームバリューは生活を支えてくれなくなります。つまるところ、現在の教育の理想形は「どうにでもなる人」の育成なのです。どんな変化があっても対応して柔軟に生きる能力が必要なわけです。
「未来」を見据えた教育を
柔軟な選択としての都心進学校受験
こうした状況にあって、未だに多くの大手塾は「勉強詰」によって生徒をレールに乗せようと必死になっています。特に中学受験を経験した生徒は、いわゆる「エリート街道」というレールに縛られてしまいがちです。国内の良い大学へ行って大企業へ、と。
あるいは、中学受験をしないという選択を取ると、とりあえず上京して大学へ、4年目から就活を…と考えてしまいます。
しかし、今こそ教育者はそうした考えから自由たらねばなりません。彼らが「どうにでもなる人」になるためには、決まり切った考えを捨て、様々な道を考えられるようにならなければなりません。地方から都心部への受験は、その意味でも大きな一歩になります。
意志ある学習のための進学校受験
もう一つ重要なのが、都心のレベルの高い進学校ほど自由な活動を助けてくれるという点です。いわゆる自称進学校のような高偏差値の学校の合格実績のために必死に生徒を勉強漬けにする学校を除けば、偏差値の高い学校ほど研究助成金の整備や活動の自由度のレベルも高くなります。
そして、そうした環境には、世間の常識に捉われない創造的で柔軟な考えの人が多くいます。未来の自分の理想像を考え、そこに辿り着くために強い意思を持って行動する生徒が多く見られるのです。こうした生徒は、海外大学への進学を目指したり、外部のプロジェクトへ参加したり努力を重ねています。こうした生徒が何となく進路を決め何となく進もうとしている生徒に遅れを取ることはそうありません。
上京して受験する意味
こうした環境にあることで、「勉強一筋」や「エリート街道」から外れて、自分が本当にやりたいことにありつける可能性はずっと高くなります。
凝り固まった考えに捉われず柔軟に人生を作り上げられるようになる、これが受験の真価です。そのために塾に協力を求めることがあっても、塾(あるいは塾の用意したレール)に依存することなく、意志を持って勉強することが必要なのです。
受験の意味、勉強の意味
合格実績は必ずしも生徒を幸せにするものではなく、勉強に注ぎ込んだ時間は損失になり得ます。合格をゴールにする世間の古い教育観に捉われない、意思ある、意味ある教育をしなければなりません。
彼らは30年前ではなく、30年先を見据えた教育を必要としています。ただボーッと生きていくことが目標ではないでしょう。自立し、意思を持って行動することこそが、彼らに今求められている、30年後を生き抜く術です。
そうした教育こそが、彼らダイヤモンドの原石を磨き上げ、変わりゆく社会を強く生きる輝きを放たせるのです。
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この記事を書いたライター
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