迫る「東京脱出」の波
日本の風潮として都心に対する悪いイメージが増していることを感じます。
インターネット上でも通勤ラッシュや高い物価、そして希薄な人間関係に嫌気がさし、地方に移住して成功した人の体験記を数多く見ることができます。
そう、今まさに首都圏に住む人を中心として地方移住の流れが来ているのです。
しかしよく考えてみてください。
本当に地方移住がメリットばかりだというのならばもっと数多くの人が地方移住を行うはずです。今この記事を読んでいるあなたの周りに地方移住をした、というような方はいらっしゃるでしょうか。
ネット上で祭り上げられる地方移住信仰、しかしその成功例の裏には同じ数だけ、いやそれ以上の失敗例があることはあまり目を向けられない事実です。
成功した人は声高に自分の考えを発表しますが、失敗した人はそれを表に出したくないというのが人間心理。
そのため私たちには成功例しか目につかないのです。
もしあなたが地方移住を考えていてお子さんがいらっしゃるならば、この記事を読んでよく考えてみてください。今回は地方移住がお子さんの「教育」にもたらすデメリットを3つに分けて解説していきます。
地方移住の実態 作られた理想郷像
田舎の持つイメージの実態
もしあなたが田舎に大して「暖かい」「人情味溢れる」というイメージを持っているならばそれは訪問者に対するものでしょう。
定住者に対して田舎は本当の姿を見せます。
そもそも首都圏から田舎に移住してきた人という概念が異質なものであり、村八分のようになることは無くても少なからず地元の方との壁を感じることはあるでしょう。
地域に馴染めずそのままフェードアウトしていくという層も確実にいます。
地方移住というものは何一つ繋がりがない文化圏に放り込まれるのですから、コミュニケーション力が求められるのです。
更にこれは子供の教育においても同様です。
地方の学級は生徒数が少ないことも多く、極めて密なコミュニケーションが取られています。
そんな出来上がったコミュニティに新規参入し、受け入れられるならばまだしも馴染むことが出来なければ多感な時期のお子さんに悪影響が及ぶことは必至です。
ここまで読んで必要以上に田舎を貶しているのではないかと思われる方もいるかもしれません。
しかしこれは田舎の本質であり、都会では逆に希薄な人間関係が構築されています。
これは都会と田舎どちらが優れているということではなく、その土地が持っている性質に別の土地から来た人が馴染めるのかという問題なのです。
これが1つ目の地方移住のデメリットとなります。
将来への視野が圧倒的に狭まる
地方移住はしたいがお子さんは大学に進ませてあげたい、そう考える親御さんも多いことでしょう。
確かに都会においては大学進学は当然とは言わずとも主流な選択肢です。
しかし地方においては大学に進学するということ自体が特異な例であるということが往々にして有り得ます。
また、これもインターネット上で調べればいくつか出てくるのですが、地方出身者の「大学の存在が自分の生活圏では非現実的なものだった」という声も多く見られます。
つまり自分の生活圏に大学に通う人がいないため、最初から大学進学が現実のものとして浮かばないのです。
現在教育格差の問題が叫ばれていますが、地方はまさにその当事者、もっともデメリットを被っている土地なのです。
大学進学率 [ 2017年第一位 京都府 ]https://todo-ran.com/t/kiji/15083
この大学進学率を表した表からも分かるように地方では大学進学に対して首都圏に大きな差をつけられています。
今あなたが首都圏に住んでいて大学進学を当たり前のものとして捉えているならば、それはとても幸運なことなのです。
その幸運をわざわざ捨ててまでお子さんの未来を潰しかねない「地方移住」という選択肢をとりますか?
文化面での差
もしあなたが渋谷にいた時にお子さんが本をねだってきたとしましょう。
その本は評判もよく、子供の教育にも役立つのでは無いかと思えます。
あなたはすぐそこの大型複合商業施設に併設されている本屋に立ち寄り本を持ってレジに向かいました。
よくありそうな光景に思えます。
しかしもしあなたが地方に住んでいた場合まず自分の生活圏に本屋がない、という状況が考えられます。
そうなればあなたはバスに乗るなり電車に乗るなりし、最寄りの大きな街に出向いて本を買わねばならないのです。
Amazonのような通信販売サービスを利用すればいいのではないかという声もありますが、本に限らず必要なものができた場合に一々配送料の上乗せされるサービスを利用することが果たして効率的なのでしょうか。
さらに速達サービスなどを利用しても都会における利便性には到底太刀打ちできません。
ここでは本屋を例に出しましたが他にも地方には首都圏に当たり前にあるような美術館、博物館を始めとする施設が充実していません。
都心ならば当たり前にできる文化的な活動が地方ではとても難しいのです。
感受性が豊かな幼少期にお子さんを文化的な資本に触れさせてあげられないということは情操教育の面において大きなデメリットとなります。
またこれは教育の面でも同じであり、漠然と子供が成長したら塾に入れようと思っていたらいざ移住したらそもそも塾が存在しない。それどころか学校外で学習するという文化すらなかったということも往々にして有りうるのです。
まとめ
この記事を読んでくださっているということは少なからず地方移住に興味を持っていらっしゃると思います。
もしあなたが首都圏在住の方なら。
地方移住がお子さんにもたらす本当の意味をもう一度考えてみて下さい。
もしあなたが地方にお住まいの方なら。
これはチャンスです。この記事を読んでいただいて、地方には東京と比べてかなりのデメリットがあることが理解いただけるかと思います。
教育において特にこの差は顕著です。
当サイト東京受験は思い切って地方を出てみようというお子さんを応援するサイトです。
是非これを機に自分のお子さんに首都圏の進学校で学ぶ機会を与えるという選択肢を考えてみてはいかがでしょうか。
繰り返しになりますがお子さんの選択肢を狭める行為は親としてやっては行けない残酷な行為です。首都圏にいれば中学受験をして上に進んでいく未来があるにも関わらず選択肢を潰してしまう地方移住、これはその最たる例なのです。
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この記事を書いたライター
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