こんにちは & こんばんは!
神奈川県の栄光学園に通う、高校2年のがくです。
皆さんの中には、中学受験をする際に、その先の大学受験のことも考えている方もいらっしゃるかもしれません。ただ、正直なところ進学実績だけ見てもピンと来ないし、学校内の空気感もよく分からないのではないでしょうか。
今回は、神奈川御三家の一角を占める栄光学園の、大学受験よもやま話を紐解いていきたいと思います。
現状
合格実績
まずはデータを見た方がわかりやすいでしょう。栄光学園HPを見ると
東京大学 | 54人 |
一橋大学 | 11人 |
東京工業大学 | 14人 |
横浜国立大学 | 13人 |
慶應義塾大学 | 86人 |
早稲田大学 | 91人 |
上智大学 | 22人 |
東京理科大学 | 45人 |
中央大学 | 13人 |
明治大学 | 43人 |
(HPより合格人数10人以上の大学を抜粋)
などの大学が並びます。(ちなみに海外大学進学者は2年に1人ぐらいの印象です)
1学年は180人のため、もちろんみんなが合格した大学に行くわけではなく、進学数は各校若干低くはなりますが、大まかな傾向としてはこれが分かりやすいでしょう。
こう見ると、東大を始めとした国公立大学の他、有名私立大学が並び、伊達に神奈川御三家を名乗っていないなと感じます。
さてこんな栄光学園ですが、大学受験のための特別授業(特に東大向け)などは基本行っていません。そんな環境の中、栄光生はどのように大学受験を迎えるのでしょうか。
大学受験に向けて
学校側の空気感
基本的に学校の方針として、(少なくとも高校二年生までは)大学受験だーー!という圧力をかけるようなことはありません。
後述しますが、高校生になると本格的な進路ガイダンスも始まり、卒業生の講演や外部の模試を受けることも多くなります。しかし将来の仕事などもひっくるめたものがほとんどなので、「この大学いいぞ!」みたいなものは見たことありません。
ただもちろん、進路指導の先生に個人的に聞きに行けば、本人の成績や将来のプランなどから、この大学がいいんじゃない?と勧めてくれます。あくまでも生徒主体で進めてくれるのが、大きな特徴です。
一方で、授業の進度はかなり早いです。高校2年生までで基本的な学習内容は終わらせ、高校3年生では、受験に向けた学習をするようなイメージですので、先生方も発展的な内容を早いうちから扱ったり、猛スピードで授業が進んだりもします。
慣れるまでは(体感では段階的に早くなっていくので慣れるどころではないですが)勉強が辛い….と確かに思います。しかしまあ、恥も外聞もなく言ってしまえば、その授業を真面目に受けていれば、ある程度の大学に行くことができるのです。そこに関しては、(個人的な進学事情もあって)ありがたいなと思っています。
生徒の空気感
「頭いい栄光生なら、将来のビジョンとかしっかりしてるんでしょ!」と言われることがたまにありますが、断じてそんなことはありません。高校2年生の段階で、将来の仕事や大学が定まっている人は本当に稀です。
またほとんどの人が大学に進学しますが、それもなんとなく流されてるな、という感覚を覚えます。まわりが東大を受けるから俺も受けよう、といった感じで、毎年120人(学年の2/3)ほどが東京大学を受験するようです。
そんなこと言っていますが、志を持っている人も確かにいます。数学オリンピックや科学の甲子園などの理系コンテスト(?)には毎年多くの人が応募している他、2年連続で最年少気象予報士が誕生したり、自費留学する人がいたりと、探究心を育んでいる人が一定数いる(さらに毎度毎度かなりの結果を残してくる)ことが、同級生にとって刺激になっていることは言うまでもないでしょう。
参考までにですが、塾に行く人は割と少なく感じます。(少なくとも高2の時点では)行っている人達も、自習室目的がほとんどなイメージです。
実際に行われていること
校内のイベント
校内の雰囲気は分かっていただけたと思いますが、ここからは進路指導に関連して実際に行われているイベントを見ていきたいと思います。
本格的に受験を意識した外部模試などは、他の学校と比べて少ないようなイメージです(年に1回)。これらは高校1年になって始まるので、中学生の間、大学受験を意識するようなことは一切ありません。
その他に、高校に入ると、卒業生による講演が行われます。土曜日の午前中を使って、1学年を対象に、社会人として活躍されている4人がそれぞれ、自分の経験を踏まえながら将来の進路に関するお話をしてくださいます。今までに僕が聞いたOBの中には、外科医の方から起業家の方まで、さまざまいらっしゃいます。
ちなみに進路指導とは関係ないですが、OBの講演自体はたまに開催され、この前はブラックホールの写真を撮影した日本チームの代表である本間希樹さんの講演がありました。
校外のイベント
今の時期は夏休みというだけあって、オープンキャンパスに行くことを進められます。京都大学を訪れるために京都旅行を企画している友達が意外と多いです。学校には様々な大学のオープンキャンパスや体験授業のポスターなどが貼られていますが、特定の大学のものに行けと言った意図は感じられません。
ちなみに最近話題のサマースクールなどといった校外活動は、あまり積極的に参加している人がいない感じがします。進路などを考えるきっかけになるようなイベントに参加している人は少ないと思います。
大事にしているのは
学校側が大学受験に執着していないのは分かっていただけたと思いますが、それでは栄光学園としては生徒に何を求めているのでしょうか。
4年半通って感じたのは、「生徒の自主性」を重んじている点です。
特に進路指導では、生徒に無意識のバイアスをかけないように、先生方が工夫されているのが伝わってきます。
聞きかじった所によると、高校2年生まではセンター試験(大学入学共通テスト)の対策を目的とした授業を行うことはまずないそうです。
そのため、(特に理系では)観察や実験を多く取り入れた授業がかなりあったりします。
ちなみに僕は海外大学を受験するつもりなのですが、そのことを担任の先生に言った時は、「おぉ、いいんじゃない?僕には経験がないからしっかりしたサポートはできないけど、英語科の〇〇先生とかに聞くといいよ」とあっさり言われて拍子抜けした記憶があります(何かしら反対されるか国内受験を勧められると思っていたので)。
じゃあなんで?
包括的に見ると
再三言ってきた通り、学校としては有名大学受験を推してるわけでは決してありません。それではなぜ、冒頭でも紹介したような進学実績を作ることができるのでしょうか。
まず1つは、先ほども触れましたが、なんとなくという人たちの存在です。先輩方も受けてたし、友達も受けるし、受けてみようかなと言ったイメージでしょうか。
そしてもう1つは、何だかんだ勉強が好きで、向上心が高い人が多いことです。将来研究職に就きたいから〇〇大学の◻︎◻︎研究室に入りたいという人や、刺激的な仲間と学びたいから難関校に入ると言った人たちです。
以上のことをまとめると、まとめると、このようになります↓↓
- 学校として、有名校受験を推していない。
- ではなぜ多くの人が東大などへ行くのか?
- なんとなく流されて、の人も多い
- 何だかんだ勉強好き・向上心の高い人が多い
- いざ目指すとなれば、先生からのサポートが厚い
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この記事を書いたライター
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