オンライン化が決定!筑附高校の文化祭「桐陰祭」にインタビュー





文化祭は、生徒たちの活動の集大成として、大きな意味を担ってきました。また、文化祭を見て志望校を決める受験生の方も多いでしょう。
しかし現在、新型コロナウイルスの影響により、多くの学校が文化祭の開催について考え直さざるを得ない事態に追い込まれています。これは多くの人にとって切実な問題です。僕の通う学校でも真剣な議論が繰り返されています。

そんな中、オンラインで文化祭を行うことを発表し、注目を集めている学校があります。
その一つが、筑波大学附属高等学校(筑附高校)です。

今回、東京受験.jp編集部は、筑附高校の文化祭「桐陰祭」を運営する委員会の生徒の方に、インタビューを実施させていただきました。内容は、オンライン開催決定までの流れや、具体的な開催方法などについてです。
そしてこの記事は、それをもとに再構築を行ったものです。

文化祭などの開催を検討されている方や、筑附高校に興味がある方などに、この記事が少しでもお役に立てればと思っています。

筑波大学附属高校とは

共学では偏差値日本一!筑附高校の基本情報

まず、筑波大学附属高校の基本情報を簡単にご紹介します。

筑波大学附属高校 (以下筑附高校) は文京区にある国立の共学校で、共学校としては偏差値日本一と言われることも多い名門校です。
同系列の筑波大学附属小学校・中学校もありますが、それぞれ進学時に内部入試に合格する必要があるため、完全な一貫校ではありません。いっぽうで「小学校から12年間ずっと筑附」という人もいて、他の生徒からは「スーパー内部」と呼ばれているそうです(笑)。
校風も小・中・高でかなり異なり、高校はわりと自由な雰囲気だということです。

桐陰祭」と呼ばれる文化祭は、 例年は9月に開催されています。ちなみに去年の文化祭では、生徒が食品の注文機を自作し、注目されていました。
桐陰祭の公式ツイッターのリンクはこちらです→https://twitter.com/toin_fes

それでは、これ以降は実際のインタビュー内容を載せていきます。<>で囲われている部分は編集部が追加した註です。

オンライン開催が決まるまで

コロナ禍の到来、「文化祭について考え直す必要がある 」

<Q.オンライン開催が決まるまで、どのような経緯があったのか教えて下さい>

まず、3月のはじめから学校が休校になりました。その後休校が1ヶ月続き、4月には休校の期間が延長になりました。
この時期に、「新型コロナの影響が長期化する可能性があるので、文化祭の開催について考え直す必要がある」という考えを、桐陰祭の実務局長の間で共有しました。この考えはその後、「例年通りの文化祭の形態では確実に開催できない」というものに変わります。
ただし、まだこの時点では、実行委員のほとんどが例年通りの開催を望んでいました。なのでまずはオフラインでの開催を目指しながら、もしそれが叶わない場合のためにオンライン案を策定するという方針を取りました。

具体的には、次のような案が出ていました。
 ①完全オンライン開催
 ②対象者、またはライブなどの企画を縮小した形でのオフライン開催
 ③②同様に規模を縮小し、さらに延期したうえでのオフライン開催
この段階で委員会の指導委員会の長である先生とも相談し、開催方法を模索していることを共有しました。

「桐陰祭の理念はオンラインでも実現できる!」

その後、休校期間の延長により準備期間が足りなくなることが予想されたので、例年通りの9月開催から、10月開催に延期することを決定しました。かつ、一度決めた学年暦は再編できないことや、大きく桐陰祭の運営に関わる三年生の大学入試への影響(本校では実行委員長なども三年生です)を考え、それ以上の延期はできないことになりました。
そして総務の2人と他の3年生2人・2年生2人の計6名のチームが組まれ、オンラインという一つの開催方法を模索していく中で、その可能性に気がついてきました。例年通りの文化祭の楽しさを保ちながらも、オンラインならではの工夫がたくさんできることがわかってきたのです。

そして、桐陰祭の根幹である「生徒が主体的に企画を作り上げること」はオンライン開催であっても実現できるのではないか、そう考えたときにこの可能性は確信に変わりました。
そこでこのオンライン開催案を桐陰祭の幹部、桐陰祭実行委員、教員に提案したところ、登校が5月から始まればオフライン開催に、これ以上休校になった場合はオンライン開催に切り替えることになりました。
結果5月には休校が延長され、オンライン開催が決定しました。

「高校生に元気を」プロモーションビデオの作成

そして、オンライン文化祭という新たな文化祭の形をより多くの人に認知してもらうに、早々にプロモーションビデオ(PV)の作成に着手しました。
高校生のイベントがたくさんなくなったり、Twitter上で「#高校生の悲痛」がトレンドに載ったりと、高校生の失われた機会に焦点が当たっていました。その厳しい状況の中であっても立ち上がっている高校生がいるということをアピールし、他校の高校生に元気を与えたいという思いもありました

オンラインでの開催方法

<Q.具体的にはどのように開催されるのでしょうか>

日程は、10月18日(日)に開催する予定です。
当日は現在作成中のホームページを通して、それぞれの企画に訪れることができます。
そして、今年の桐陰祭Onlineは4つの世界に分かれています
①バーチャルの世界 ②相互的な世界 ③動画の世界 ④アーカイブの世界です。

①バーチャルの世界

バーチャルSNS「cluster」から参加することができます。仮想現実空間においては、様々な“集まる”体験が可能になります。そこは桐陰祭Onlineのストーリーに連動したワールドになっており、その世界観を体験することができます。
内部には学校の校舎や広場、軽音ライブ会場などと、各企画に応じた会場が用意されています。企画においては、仮想現実の特徴を生かした派手な演出が可能です。

 (↑作成中の仮想現実空間のイメージ画像)

②相互的な世界

相互的なコミュニケーションには、 Zoom や Spatial chat 等のWebミーティングシステムを利用する予定です。そこでは、生徒同士や生徒と参加者のコミュニケーションが可能になります。さらにオンラインであることを活かし、言語や身体的な特徴など様々な壁を越えたコミュニケーションの場を創る予定です。

③動画の世界

YouTubeを利用して、相互的かつ刺激的な配信を提供します。YouTubeでは、コメント機能を活かした作品が可能になります。たとえば、視聴者のコメントによってエンディングが変わる、体験型の劇などです。

④アーカイブの世界

各種Webサイトで制作物を公開します。生徒が作成した独創的な作品や日々の学習・部活動の成果などをご覧になることができます。

さらに詳しい情報については、これから公式ツイッター等で配信していきます。

<オンラインならではの工夫が、随所に施されていますね。>

オンラインではできないことも。しかし・・・

<Q.食品販売など、オンライン上ではどうしても表現できない部分もあったと思いますが、それについてはどのようにお考えでしょうか?>

食品販売は例年、三年生のクラスと一部の部活動が行なってきました。しかし、今年は感染症の影響からできないことが早いタイミングで予想されたので、中止することにしました。
もちろん食品販売も文化祭の大事な一部ではありますが、それがなければ文化祭が成立しない、というものではありません。
どの要素を残していくのか、その見極めをしていくことが重要です。さらにはオンライン開催によって新たに出来ることに焦点を当てることも大事だと考えています。

ふだんの学校生活のオンライン化も◎

ちなみに、学校生活においても Google classroom を活用し課題を配信するなど、スムーズなオンライン授業を行うことができています。
また、朝体操という試みも行われており、生徒たちは朝 Zoom で配信された体操に参加して体を動かしていました。
生徒主体の活動としては、毎年行っている新入生歓迎行事のかわりに、部活や委員会ごとに活動紹介ビデオを作成し、一年生に配信しました。

<文化祭だけでなく、普段の活動から時代の変化に柔軟に対応できているようです。>

<Q.オンラインでの活動について他の学校や企業などへアドバイスがあればお願いします>

我々もまだアドバイスができるほど経験があるわけではありません。しかし、探りながら得たものを他校の生徒たちとも情報共有していき、共に新たな文化祭の形を目指していきたいと思っています。

桐陰祭への思い

生徒の力で、例年以上の文化祭を

<Q.最後に桐陰祭にかける思いをお聞かせください>

桐陰祭の魅力は、生徒が本当にやりたいことを思いっきりやっているところです。
また、毎年生徒主体で進められているのも特徴で、 そのため生徒の情熱にあふれたイベントになっています。 そして、今年もそのような文化を引き継いでいます。

また、今年はオフラインでできたことをオンラインでも再現することを目指すと同時に、オンラインならではの表現もたくさん模索しています。
例年以上に楽しく、魅力に溢れた桐陰祭になると思います!

<社会全体が新型コロナウイルスの大きな悪影響を受ける中、こんな事態だからこそ新たな価値を生み出そうとする筑附高校の前向きな姿勢は、多くの人が見習うべきものなのかもしれません!>

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前開成校長のインタビューです。
同じ筑波大学附属校の文化祭です。

この記事を書いたライター

K太朗
K太朗
元もちけん
国立筑波大学附属駒場(筑駒)高校一年
サッカー部、生物部、折り紙研究会
部活でやっているもののほかに、読書、映画鑑賞、デザインなんかも好きです。新サムネイル・第一回イベントポスターのデザインを担当しました。