都内進学校生が参加する「学術オリンピック」とは?





自分の得意科目で世界に挑戦!

みなさんも、オリンピックに出て見たくありませんか? と言っても、スポーツには得意、不得意がありますね。自分には運動神経がないから、、、と思っている方、多いのではないでしょうか。

しかし、オリンピックは何もスポーツだけではないのです。 世界には、学術オリンピック(科学オリンピック)という、勉学で競うオリンピックがあるのです。要するに、みなさんの得意科目で世界を目指せるのです! 実際、進学校の生徒の中でも特にある分野に突出して成績の良い人が多く受験しています。

では、学術オリンピックとは何か、順に見て行くことにしましょう。

学術オリンピックってなに?

日本学術オリンピックは、ある教科が得意な中高生が全国から集まり、テストを受け、その成績でメダルを目指すイベントです。予選と本戦があり、予選の成績優秀者で本戦が行われ、本戦の成績でメダルが決まります。第4章で詳しく述べますが、入賞者の一部は国際学術オリンピックに無料招待され、世界で自分の実力を試すことができます。国際学術オリンピックも、基本的に中高生が対象です。また、オリンピックになぞらえて多くの学術オリンピックが金賞、銀賞、銅賞を「金メダル」「銀メダル」「銅メダル」としていますが、必ずしも「メダル」そのものがもらえるとは限りません。さらに、スポーツのオリンピックとは違い、複数人が金メダルを受賞することが多いです。

学術オリンピックにはどんな教科があるの?

https://www.jst.go.jp/cpse/contest/ より

有名な数学オリンピックの他にも、化学オリンピック、地学オリンピック、地理オリンピック、情報オリンピック(プログラミング)、生物学オリンピックなど、様々な教科があります。

ここに載っている以外にも、日本言語学オリンピック(IOLing)や、国際哲学オリンピック予選などが日本から受験できます。

学術オリンピックを受けるメリット

まず、学術オリンピックを受け、いい成績を取ろうと思うということ自体が、その教科に対する知見を深めようという気にさせてくれ、勉強の最高のモチベーションになります。

次に、賞を取れると、賞状や副賞を受け取れるのはもちろん、競争の激しい進学校内で自分の価値を証明するアイデンティティ、自信へと繋がります。実際、学術オリンピックの入賞者は、進学校内でさえ尊敬されます。

そのうえ、金メダルを取った場合には、さらにいい副賞が受け取れます。2016年度の数学オリンピック金賞の副賞は富士通のPCでしたし、2017年度の情報オリンピック金賞の副賞は3Dプリンターでした。(現在は変更されている可能性があります)また、大学入試を推薦で受けることを考える際に、自分をアピールできる好材料にもなります。

さらに、次の章で詳しく話しますが、成績がいいと国際学術オリンピックに参加できるかもしれません。

国際学術オリンピックに行くには

国際学術オリンピックに出場することは、日本学術オリンピックで入賞することよりもさらに厳しくなります。多くの教科では、日本学術オリンピックの入賞者の上位十数名で、国際学術オリンピック日本代表選考合宿が行われ、そこでの成績で上位数名が国際学術オリンピックに出場できます。

日本代表選考合宿に進出できる人数や、国際学術オリンピックに出場できる人数は教科ごとに異なっています。たとえば、国際数学オリンピック日本代表選考合宿には、日本数学オリンピックの上位約20名と、日本ジュニア数学オリンピックの上位5名程度が選出され、合宿で行われるテストの成績で上位6名が国際数学オリンピックに参加することができます。

国際学術オリンピックでは上位の数十名が金メダル、その下のさらに数十名が銀、またその下の数十名が銅メダルを受賞できるので、国際学術オリンピックに出場できれば、日本選手はほぼ全員がメダルをもらえます。

国際学術オリンピックメダリストたち

ピーター・フランクル(数学者・大道芸人)
1971年国際数学オリンピックチェコスロバキア大会金メダル(7位)など

高谷悠太(開成高校→2019/3現在東京大学教養学部1年)近年の日本選手団ですごい人
2017年国際情報オリンピックイラン大会金メダル(1位)
2017年国際数学オリンピックブラジル大会金メダル(1位)など

大島芳樹(筑波大駒場高校→2019/3現在大阪大学准教授)日本選手で一つの教科のメダル最多記録
1999年国際数学オリンピックルーマニア大会銀メダル
2000年国際数学オリンピック韓国大会銀メダル
2001年国際数学オリンピックアメリカ大会銀メダル
2002年国際数学オリンピックイギリス大会銀メダル
2003年国際数学オリンピック日本大会銀メダル

どの学術オリンピックを受けようか迷っている人へ

基本的には自分の得意科目が一番いいです。

なぜなら、先に挙げた勉強へのモチベーションになりやすく、オリンピック対策の勉強もはかどり将来にも生かせるからです。

また、特に得意教科がないという人で、メダルを最も取りやすいと言われるのは化学グランプリです。理由は単純で、メダルを受け取れる人数が多いからです。日本数学オリンピックでは優秀賞まで入れても上位20名程度であるのに対し、化学グランプリは日本数学オリンピックと受験者数は約4000名とほぼ同じであるにも関わらず、銅賞までで上位80名が入賞できます。(もちろんメダルがとりやすいからといって、メダルを取ったということの価値が下がるわけではありません)。

是非皆さんもメダルを目指して頑張ってみてくださいね。応援しています。

特別記事・国際情報オリンピック金メダリスト米田優峻氏へのインタビュー

プログラミングとは、いつ出会ったのですか?

「私は中学一年生の 4 月にプログラミングに出会いました。筑波大付属駒場中学校(通称筑駒)に入り、パソコン部(通称パ研)という部活に入部しました。そして素晴らしい先輩に直接教わり、プログラミングを始めることになりました。」

情報オリンピックを知ったきっかけ、受けようと思ったきっかけは何ですか?

「知ったきっかけは、パ研の先輩から勧められたからです。 筑駒パ研では、情報オリンピックに出場・参加することも活動の一つですので、パ研部員の半分以上が参加します。」

情報オリンピックの前になって、何か特別に対策していることはありますか

「私は情報オリンピックの前だけではなく、毎日のように情報オリンピック対策をしております。 例えば、情報オリンピックや、プログラミングコンテスト(ICPC, パソコン甲子園など)の過去問を解いたり、世界で使われているコンテストサイト(AtCoder など)で毎週行われるコンテストに参加したりしています。 特に、情報オリンピック(特に春合宿)前は、国際情報オリンピックを想定して、情報オリンピックの問題から 3 問選び、5 時間で解くというような練習をしています。」

国際情報オリンピックに出て、感じたことを教えてください。

「私は国際情報オリンピックに特別参加選手団(注:通常、国際情報オリンピックでは日本代表は4名だが、2018年度国際情報オリンピックは日本で開催されたため、開催国枠として通常の4人に加えてさらに4人が出場できた)のうち一人として参加しました。 まず感じたことは、一週間、世界の、私と得意分野が同じ “トップクラスのプログラマー” と交流できたことに感動しました。海外のコンテスト事情、練習をどのようにしているか、それだけでなく文化なども含め色々と聞くことが出来ました。本当に良い経験になったと思いました。 また、競技では「最後まで諦めないことの大切さ」を感じました。私は 1 日目終了時点で 57 位と、金メダルに届いていませんでした。しかし、2 日目の最後の 1 時間まで「金メダルを取れる」と自分を信じ、諦めずに問題に集中して解いたら金メダル獲得に至りました。 まとめると、私の青春においても、人生において非常に良い経験となったと思いました。」

今後の抱負と、皆さんに一言

「今後の抱負としては、2019 年 3 月に行われる情報オリンピック春合宿で勝ち抜き、国際大会で 2 度目、公式記録としては最初の金メダルを獲得したいと思っております。(2018 年は特別参加選手団だったので、公式記録にはなりません) その為には、毎日欠かさず過去問を解いたり、プログラミングの練習をすることが大切だと思っております。私はまだ過去問を 4000 問しか解いていません。しかし、国際情報オリンピック優勝者の Gennady Korotkevich さんは 10000 問解いています。まだ遠いですが、これを目指して頑張りたいと思います。」

終わりに

勉強はもちろんですが、プログラミングは今後本当に大切なスキルになると思います。2020 年には約 37 万人の IT 人材が不足することが予測されている中、世界が求めているのはプログラミングができる人材です。 ですので、皆さん、是非、今日からプログラミングを始めてみましょう。C++ の基本は、AOJ (AIZU ONLINE JUDGE) の Introduction to Programming というコースで簡単に学べます。問題を解いていけるので、楽しみながら学んでいくことができます。 無限の未来に、是非挑戦していきましょう!

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